遅ればせながらDVDで押井守の「イノセンス」をみた。やれ”難解だ難解だ”、”大人向け”だとか、”エンターテイメントじゃない”、だとか言われてるみたいでお子ちゃまの僕ちゃんは構えて見始めたんだけど、普通のエンターテインメントな映画でちょっと拍子抜けだった。前作の甲殻機動隊ってアニメをみていることが必須だが、すばらしい映像、スノッブなせりふ、ちょっとした恋愛とサスペンスを含んだストーリー、はったりの効いた世界観はとっても楽しい。既視感ばりばりなので、「独創性」を求める人には不満があるのかもしれないけれど、エンターテイメントとしては一流だとおもう。

どうでもいいけど、この映画を見ていて思ったのは押井守fate stay nightって言うエロゲーをアニメ化したら面白そうだなぁってこと。あのエロゲーは押井以降のオタの臨界点みたいな内容を持っていたように思う。萌えオタ的な欲望に忠実でありつつ、そのオタの欲望が持つ構造を物語の世界観として批評的に再構成していた。第2話で英霊システムの秘密がネタバレされたときには思わずスゲェと叫んでしまった。アーサー王を女の子としてデータベースから召還する現代オタの欲望に押井はどうたちむかうのか。古くさいサイバーパンクよりは面白いものになると思うんだけど。