アジアカップ

三決でも負けたけど、内容は決して悪くない。ジーコの時の出たとこ勝負な即興サッカーもあれはあれでおもしろかったが、オシムになっての知的なサッカーは見ていてそれ以上に楽しい。
パスばかりつないで勝負をしないといわれているようだけど、あの糞暑い中、悪いグラウンドコンディションでのあのパス回しは芸術的といっていい。ひらひらとアタックを交わしてボールを舞わしていき相手にボールを保持する時間を与えない。ああいう”圧倒的じゃないか我が軍は!”というポゼッションサッカーは大好き。もちろん得点に結びつけばなおよろしい。ベトナム戦の3点目茸のゴールに結びつく展開などは今回の白眉だった。今大会でのオシムのねらいはパスサッカーの形を作ることを主眼においてるのだろうし、その構築に関しては明らかに成功している。走る意識はみんなに浸透し、チームとしての形はきれいすぎて読まれるぐらいに出来ている。今回はコンディションの関係で走る量が少し足りないから、足下パスばかりのサッカーに見えるが、もう少し条件がよければすさまじいサッカーがみられる予感がある。相手がゴール前を固めてスペースが無くなったのならもっともっと動いて、自分でスペースを作ればいい。オシムのやってるサッカーにはその基礎がある。
ただやはり人材の問題はある。一つはフォワード。高原は単独で打開する力を持っていることは明らかになったけど、高原の相方が見つからなかった。巻はあれだし、寿人もかみ合わないし、矢野はオプションにしか成りそうにない。もう一人が固まらないから、中盤から後ろの連携に比べて、フォワードとの連携、特にフォワード同士での連携が見られなかった。この部分は確立する必要があろう。
あとはおなじみジェフ枠問題と適正ポジション問題。ジェフ枠に代えて、山瀬とか柏木あたりを起用して、ボリバレントに過剰こだわらずストロングポイントを生かす編成をしたほうがいいと思う。とくに我らが駒野は右サイドで使ってください。お願いします。
問題はまだまだあるのだろうけれど、これからチームとしてどんどん成長していく予感はある。短期的な結果に動揺する必要は全くない。