宮顕死んだ・・。

宮顕さんが亡くなった。うちの実家の両親は二人とも18歳で入党したごりごりの党員で、実家の居間には「知は力」と書かれた宮顕さんの色紙が張ってあるし、母ちゃんは宮本百合子信者で百合子全集を愛読して、いつも”百合子さん百合子さん”といってたりするような人であり、自分自身は宮顕さんがばりばり活躍してた時期を知らない世代なのだけど、その存在は人格形成に少なからず影響を及ぼしてきた(子供の頃よく「個人崇拝だ!」などとからかっていたw)。また宮顕さん自身にかんしても印象深いことはいくつかあり、特にソ連がつぶれた後の例の「腰を抜かしている人がいるが・・」とか「諸手をあげて歓迎する」発言がやっぱり一番印象に残っている。
ところで地方の共産党員の一家にとって世間がバブルに浮かれていた80年代は暗い時代だった。ソ連や東欧の既存の「社会主義体制」の誤りが明確になり、国内でも体制選択論が連呼されて共産党は退潮し、思想的のもマルクス主義は時代遅れという感じで、ソ連や中国の共産党とは違うんだといいながらもやっぱりどこか我が家の中の空気もなんだかぎすぎすしていた。そんな中で東欧・ソ連での体制変革がおこり、宮顕さんが「諸手をあげて歓迎する」といい、「腰を抜かしている人がいるが・・」といった。ソ連が崩壊して等を離れていったり、こうした発言にショックを受ける人も結構いたらしいのだけれど、僕なんかにとってむしろこれらの発言はすごく実感にそうものだったし、路線を再確認するという意味でも納得いくものだった。当時ちょうど小学校高学年ぐらいだったと思うが、だいたいあれだけひどいのが明らかになってたのに、何で今更幻滅したりショックを受けるのか、とそっちの方が不思議だった。
毀誉褒貶の激しい人だけれど、暴力革命路線を否定し平和路線への転換など歴史的に重要なポイントでの選択には大きな誤りはなかったのではないかと思う。

改めてご冥福をお祈りします。