前原かよ!?

この時期に前原を選ぶあたりに民主党という政党のたちの悪さが感じられる。わざわざ自民大勝後のこのあぶない時期にタカ派の前原を選ばんでもよかろうに。近い将来自民党と一緒に改憲を競い合う様が目に見えるようだ。
菅にたいしてわずか2票差の勝利という党内基盤の弱さが外交安全保障・憲法問題への慎重な対応を導けばいいのだが、どうやらそれも期待できないようだ。田中秀正がいうには前原にとっての安全保障政策は小泉にとっての郵政と同じぐらい執着のあるものだという。すると前原はもしかして小泉のように改憲をたてに寄り合い所帯の党内の純化を図るんじゃないだろうか。改憲を踏み絵にして旧社会党系の横路一派を駆逐し、新自由主義タカ派の新保守政党純化する。前原は幸いw見た目もかっこいいし、リーダーシップを巧くアピールできればやれると思う。そうした党内の純化は平和を軸とした第三局の形成を招くおそれがあるのだが、それは前もって比例代表制を廃止し政治的な影響のある集団へと形成する芽を摘んでおく。これで改憲のための自民との大連合の下準備は整う。完璧だ。これなら改憲できるぞ(藁)。
最悪のシナリオだけど意外とありそうで怖い。大敗後に行われたショボイ代表選挙だったけど、実は意外と日本の将来にとって重大影響を持つ可能性があるのかもしれない。今後の展開は注視しておかねば。
それにしても松下政経塾出身にはろくなやつがいない。日本を駄目にした原因のひとつだよ、あそこは。

で、五十嵐先生のホームページをみてなんかコメントしてないかなぁと思ったらこっちも結構きな臭い感じになっている。五十嵐仁、動揺す!?
五十嵐先生は自民の大勝と社共両党の「退潮」を受けて左派の側の革新の必要性を指摘し、社共の選挙協力共産党の党名変更が必要だと論じている。

うーん、自民党が大勝して、憲法改正が目の前に迫ってきて、それに危機感を覚えるのは当然だけれども、ここであんまりふらふらしない方がいいと思うのだが。
五十嵐先生の云うように現行の制度のもとでより効率的な票の獲得を進めるために社共の選挙協力は程度進めた方がいいとは思うし、選挙期間中マスコミにほぼ無視され続けた中で、「退潮」といっても共産は現状維持、社民に至っては消滅するどころか二つも議席を伸ばした(一議席は棚ぼただけども)というのは、民主の大敗と新自由主義派、改憲勢力の躍進のなかで第三局の必要性はある程度認識されつつあるということだと思う。だからといって一足飛びに選挙協力には行かないだろう。まずは国会での共闘の実績を作ってからの話だと思う。国会で改憲阻止・社会保障制度改悪という点でどれだけ共闘できるかが鍵になる。共闘の実績なしに、選挙のためだけに協力してもうまくいかないと思うが。それにかつての革新共闘の瓦解といった歴史的に蓄積された不信もあるわけで、小異を捨てて大同につくためにはまずはこれからの国会での対応次第だとおもう。

また共産の党名変更は論外ではないか。ここでぶれる必要は全然無いと思う。地道に実績をアピールしてそれなりに信頼を得てきている中でここでわざわざこっちからつけいる隙を与える必要はない(無党派が雨宿りに来てくれるようにさえなったのだ!)。それに今の政治課題として社会主義化を目的としないからといってそのイデオロギー自体の放棄ではあるまい。それは何より世界観を構成する重要な要素でもあるわけだから。