今月発売の雑誌「世界」で、日本の著名な”社会民主主義者”の政治学者、Y口教授とS川教授のふたりが書いている。読んでみた感想。
Y口先生にとっての左翼の範疇に絶対に共産党が入ってこないのが相変わらずだなぁと思う。前からそうだけど、左派左派って言うから何のことかと思うと自民党内あるいは民主党内の左派のことだものなぁ。萎える。
S川先生もY口先生もボッビオにならって”左派とは平等主義”のことになっている。これだと平等を奉じてさえいれば左派なんだよな。もちろん複数の平等主義の間での競合関係も指摘しているし、平等主義であれば何でもいいって言ってるわけではないのだけれど、資本主義批判を抜きにして左翼を語れるのかな。S先生は「日本はもっとも成功した社会主義(社会民主種主義)国」という俗説を激しく批判し、”本当”の社会民主主義を擁護してきた人だけれども、社会民主主義はもうあきらめたのかな。新自由主義の攻勢と小選挙区制という制度的制約を前提するのなら、日本での現実的な”左翼”とは二大政党内の平等主義的ファクションのことなのだろうか。