読んだ本

村上春樹著「東京奇譚集」新潮社

これも加藤幸子さんの「長江」と同じく雑誌「新潮」に連載していたもので、いくつかは既に読んだ記憶がある。昨日改めて全部読んでみたのだが、どうにも引っかかる。さらっと読めてしまうのだが、この本って実はかなりやばい内容を含んでいるのではないかと…

加藤幸子「長江」新潮社

「新潮」という文学雑誌は加賀乙彦の「永遠の都」シリーズ(今は第2部で「雲の都」)を読むぐらで、ほかのものは滅多に読むことはないのだが、それでもたまに気になる小説がある。これもその一つ。けれども1936年生まれの老作家で、「長江」というタイ…

G.A.アーモンド「現代政治学と歴史意識」勁草書房

「アーモンドなんて関係ないじゃん」と思ってたけど、なんとなく読んでみたら意外と面白かった。ていうか感動した。 いずれの論文も質が高い。「比較政治の機能主義アプローチ」に代表される構造−機能主義、政治システム論からの政治分析を論じた諸論文も面…

森岡孝二「働き過ぎの時代」岩波新書

「お客様は神様である」という格言は、経営者にとっての客のニーズにたいする応答性の重要性を示した経営哲学の言葉としてみることができるが、同時にその言葉はもっとも優れた労働管理のイデオロギーのひとつでもある。 「わたしが命令しているのではなく、…

村上春樹著「海辺のカフカ」新潮文庫

とりあえず「海辺のカフカ」を読み終わってので感想を書いてみた。 前の日記に書いてある「甘えすぎ」、っていうのはちょっと違うなと思った。 「甘やかしすぎ」、が正解。ハンサムで背が高くてちょっとマッチョで、本をたくさん読んでて聡明で、一風変わっ…

遠藤公嗣著 賃金の決め方−賃金形態と労働研究 ミネルヴァ書房

筆者も断っているけれど、賃金形態のみを論じていて「賃金体系論」についてふれられていないのはおしいし、大学の学者研究者のみを重視して、金子美雄さんを中心とした賃金実務者たち、いわゆる金子学校の人々の研究も無視しているのも疑問だったりするけれ…

Paul Pierson, "Politics in Time"

ポールの方のピアソンさんは某先生に拠れば”髪がこーんな長くって(肩まである)、気持ち悪いやつなんだけど、頭は切れるんだよね”な人らしい。面白そうなとこだけ斜め読みする。個人的に、歴史的制度論ていうやつが嫌い。 ”歴史で説明するって何だよ?、そ…